ぼっちのひとりごと

好きな漫画、映画、ゲームについて語ります

『筋肉』と『食』の重厚なコラボレーション漫画「マッチョグルメ」

僕達の生活に欠かせないものの一つが食べることだ。

しかし『食』についての考え方は一つでは無い。

ある人にとっては楽しむものであり、またある人にとっては生きるためのただの手段であるのかもしれない。痩せるために『食』を犠牲にしたり、物事に没頭するあまり疎かにすることもあるだろう。ちなみにこれは全て僕の経験談だ。ちなみに今日もなるべく食費を抑えたい僕は3食で500円ちょいになるようにおにぎりを買い込んだ。

今回はそんな『食』と『筋肉』を題材にした僕の大好きな漫画の話をしたいと思う。

それが「マッチョグルメ」だ。

この漫画は2017年にweb漫画サイトのジャンプ+で短期集中連載されていた漫画で作者は重厚なストーリーが話題だった「アビスレイジ」の作者、成田成哲先生だ。(アビスレイジも大好きな漫画なのでまた別の機会に語りたいと思う)

巻数は全一巻で単話形式なので基本的にどの話から読んでも楽しめるものとなっている。

~あらすじ~

ボディビルダーである主人公の天王寺 美貴久がチートデイに心のおもむくまま豪快に食事をし、『食』を通じて人々と交流をしていく物語。

チートデイとはダイエットテクニックの一つであり、食事制限をずっとしてると体が代謝機能を落としてしまうのでそれを防ぐために数週間に一度だけ好きなだけ食べることで体を騙すというものだ。

ひと昔前にグルメ系漫画が流行していたがこの漫画もその頃に発表されたものだった。

今作も他のグルメ系漫画と正直内容はたいして変わらないのだが太い線で描かれる筋骨隆々のマッチョインパクトが強すぎて一気に興味を持ってかれた。

実際に読んでみると話は単純なためとても読みやすく、主人公である天王寺美貴久のキャラも濃いだけでなく紳士的な気持ちのいい好青年のためキャラに嫌悪感を持たずに読む進められた。

また、料理の絵も丁寧で食欲を唆られるものであった。

本作で紹介されたメニューは実際のお店にあるものが多く、単行本にはお店の情報も掲載されている。(5年前の作品のため現在もお店があるかは不明)

本作の魅力は主人公の筋肉美だ。

作中では食べる物が美味いと思わずポージングを取ってしまうという奇行に主人公は走るのだが、その美しさはもはや芸術の域だ。

作者である成田先生もトレーニー(研鑽を怠らず己の身を練磨する人々)のため筋肉に造詣が深いからこそ描けるのだろう。

『食』に対する主人公の持論も注目ポイントである。

主人公は『食』を全力で楽しんでおり、とんでもないカロリーや脂身だらけの料理もペロリと平らげる。「トレーニーの身でありながらこんな大それたものを...」と心の中の雑念が主人公に襲いかかってくるが、その強き信念により雑念を捩じ伏せる姿は見ていてスッキリする。

 

また、各話毎に様々な人物と主人公は交流を深めていくのだがそれも心温まる内容のため気持ち良く読むことが出来る。個人的に好きな話は勝ち星がなかなか掴めずに悩んでいるベテランボクサーとの話だ。マジで泣ける。

 

本作は巻数は一巻と少ないながら主人公が魅力的かつ内容が読みやすく、基本一話完結のためさらさらと読むことができるためおすすめの1冊である。僕は電子版も購入しているので1週間に1回の頻度で読んでいる。興味を持ったら是非。