ぼっちのひとりごと

好きな漫画、映画、ゲームについて語ります

タイトルはふざけてるけど正統派ホラー映画「貞子vs伽椰子」

決して交わることのない大型タイトルが夢の共演を果たしている作品、それがvs作品だ。

有名どころではエイリアンvsプレデターフレディvsジェイソンなどがある。どちらも良作なので是非観ていただきたい。

邦画では戦隊や仮面ライダーでvs作品はあったりするが実際に戦わなかったり、お祭り作品なので中身が伴っていなかったりする。(特にライダーのお祭り作品は出来が酷い)

先日、僕は貞子DXを観てボロクソに感想を語ったがそのせいか無性に「あの作品」を観たくなってしまった。

その作品とはホラー映画のvs作品「貞子vs伽椰子」だ。

監督は白石晃士監督。白石監督は過去にいくつものホラー作品の監督をしているベテランだ。

ちなみに日本のスプラッター映画の中でも群を抜いて残虐な作品である「グロテスク」の監督・脚本でもある。マジでイカれてると思う。

本作品はジャパニーズホラーの二大巨頭である「リング」の貞子と「呪怨」の伽椰子(+俊雄くん)が登場するvs作品。

マスコットキャラクターとして消費されきった2人であったがこの作品で最後の輝きを見せてくれた。

~あらすじ~

主人公の「倉橋有里」は親友の「夏美」に両親の結婚記念日に結婚式のビデオをDVDにダビングをしてほしいと頼まれる。

機材であるビデオデッキを探すためにリサイクルショップを回る有里と夏美は格安のビデオデッキを見つけ早速作業に取り掛かろうとするとその中には古びたビデオが入っていた。有里と夏美は面白半分でそれを見てしまうがそれは見てしまうと2日で死んでしまうという都市伝説の呪いのビデオだった…

2人は呪いのビデオに強い執着をもつ大学教授の森重に助けを求めるのだが…

本作品はタイトルはふざけているが正統派ジャパニーズホラー映画である。今の邦ホラーに求められているのはこれだ。マジで最近のホラー映画監督はこの映画を観ろ。

僕はホラー映画に重要なものは雰囲気だと毎回言っているが貞子vs伽椰子は完璧だった。

妙に薄暗く遠くがはっきりと見えない映像、無駄なBGMを挟まず何かが起こる予兆のような静けさ、明るい場所でも終始不穏に満ちた雰囲気こそがジャパニーズホラーの陰湿さ不気味さを表現するのにぴったりなのだ。白石監督マジでよくわかってる

さらに本作では貞子と伽椰子の恐怖をそれぞれ違った方法で見せている。貞子はジリジリと静かに忍び寄る恐怖を、伽椰子は突然現れ衝撃的な恐怖を与えてくる。これがこの2人にはぴったりであり所謂「解釈違い」を起こすことがなかった。

中盤までは貞子と伽椰子は自分のフィールドでやりたい放題やってるのだが霊能力者である「常磐経蔵」と「珠緒」の2人が現れ誰もが予想することのなかった死闘を繰り広げることになる。

ホラーの時間は終わった。ここからはツッコミどころ満載のギャグ映画だ。

経蔵は貞子の呪いにかかった有里と夏美を救うためにある作戦を思いついた。

「化け物には化け物をぶつけんだよ。」

なんと貞子の呪いにかかった人間を伽椰子の呪いの家にぶち込むことによって絶対に獲物を呪殺したい伽椰子vs絶対に呪殺を邪魔させない貞子の構図を作り出し両方の呪いの消滅もしくは片方のみでも消すという作戦だそうだ。

この作戦のためであれば別に有里だけでいいと思うのだが伽椰子の呪いを受けていた「高木鈴花」にも何故か呪いのビデオを見せて同様の構図を生み出そうとしていた。なんで?

そして思惑通り貞子の呪いと伽椰子の呪いが激突する!初戦は貞子vs俊雄!!!貞子は俊雄をテレビの中に引きずり込み俊雄は抵抗も出来ず瞬殺!!!

続いて貞子vs伽椰子!!!!タイトル回収完了!!!!!最初は伽椰子が貞子を引きずり優勢かと思われたが貞子の長く頑丈な髪の毛が伽椰子にまとわりつきその目を抉る!!!!!!ついでに経蔵にも髪の毛を巻き付かせダメージを与える!!!!

その頃、貞子と伽椰子の決着がいつまでもつかずどちらの呪いも消えないことから最終手段である「両方の呪いを受けた人間と呪い殺しに来た貞子と伽椰子諸共井戸に封印する」という倫理観の欠片もない作戦を決行。その役目は有里に。

有里を狙って井戸に来た貞子と伽椰子。有里に飛びつこうとしたタイミングで有里は井戸にダイブ!!!!!貞子と伽椰子はその瞬間激しくぶつかり合い凄まじい呪いの衝突を生む!!!!!!!!!!!!!!!!!!

鈴花は急いで井戸に蓋をして見事封印成功!!!!!!!!!!!!!

 

 

のように思えたが珠緒は見てしまった…2つの呪いが混じり合いより強大な呪いになってしまったのを…

2つの呪いが1つになったことで貞子に負けた俊雄くんも復活!呪いのビデオに呪いの家要素も加わり誰も止められないとんでもない化け物を生んでしまったのであった…

 

正直オチ含めてめちゃくちゃ楽しめた。序盤はホラーを、終盤はギャグ映画として面白かった。

本作は間違いなく怪作ではあるが過去のジャパニーズホラーに対して敬意を払い作品作りに取り組んでいるのがわかった。今後貞子作品作る監督はマジで貞子vs伽椰子を観てから作ってください。